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刺さった男のsumiccoのレビュー・感想・評価

刺さった男(2011年製作の映画)
3.7
なんてブラック…(笑)

かつて
広告業界の華だった男は
今や子供の学費も稼げず
最後の当てにも断られ
悲嘆に暮れているところ、
転落事故を起こし
後頭部に鉄骨が刺さる羽目に。

大出血を起こす危険性があるため
その場から動かすこともできず
どんどんと集まる野次馬とカメラ。

そして、男は思うのです。

「これはチャンスだ!
 世界中の目が向いている今、
 俺はこの上ない広告塔だ!」


ごく一部の人を除いて
みんな正気の沙汰じゃない(笑)

でも
笑っていられないんですよね。

だって多分あたしもテレビをつけて
生中継で救出劇を見ているときに
たとえばですけど
脳に棒の刺さった男性が
キットカットを食べて微笑んでいたら
キットカットすごいなって思いますし。

駆けつけた家族が
見知らぬ栄養ドリンクの箱を持っていれば
その商品名を検索するかも。


誰が味方で
みんなの真意はどこにあるのか
いやーな気分で探ってしまう映画です。

そして
イライラ指数が高いときに観ると
きっといろんな人に毒づきたくなります(笑)
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