なつふじ

海街diaryのなつふじのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
3.9
吉田秋生といえば、完全に『BANANA FISH』のイメージだったので、こんなのも描けるのかと驚きました。

鎌倉の美しさや、リアルな台詞回し、そして圧巻の美少女描写は実写映画ならでは。四季の移ろいと共に変化する4姉妹の心を丁寧に描いています。
キャストもみんな、びっくりするくらいピッタリ。単に役に合っているというだけでなく、本当に4姉妹のような関係性を感じるレベルです。
普遍的なドラマや、リアルな人物描写や台詞回し(「アレ」の使い方が見事)からは、日常をそのまま切り取ったような感覚を受けます。(とはいえ、4姉妹の美人揃いっぷりや、仲の良さはファンタジーを感じましたが……)
見るたびに馴染み、また見るたびに発見がありそうで、噛めば噛むほどが味が出る映画ではないでしょうか。もう一回、もう二回くらい見たいですね。
上質なヒーリングムービーです。

癒やされますが、とはいえ、連休終わりに見たのは失策でしたね……途端に鬱映画に様変わりですわ。
土地の安い田舎で、晴耕雨読の暮らしに勤しみたい以外の感情を失いました。

ただ、やはり原作ものの序盤を映画化してるので、各キャラのエピソードがどれも、起承転結の「起」のあたりで終わっている印象を受けます。
エンディングが描かれていないので、それが逆に、まだ彼女たちがそのまま生活をしているような効果を与えています。
作品の日常性が増しているんですが……とはいえ、続きが気になってしまうのが人の心。原作を読もうと思います。まだ続いてるみたいですし。

どうでもいいですが、ストーリーが(いい意味で)薄いのも相まって、前半は「長澤まさみほっっっっそ!!!!」「広瀬すずの声かっっっっわ!!!!」って印象が強すぎて話がまともに頭に入ってきませんでしたね。おわり。
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