きぬきぬ

オートマタのきぬきぬのレビュー・感想・評価

オートマタ(2014年製作の映画)
3.4
太陽風増加の影響により砂漠化が進み破滅へと向かう地球で、電波通信系統が利用不可の為、作業用に開発されているのはアナログ型のロボット。ロボットが人間に害を為さない為、生物に危害を加えない事と自他ともの改良を禁じるプロトコルで制約されている。
SF的に目新しさは無いし、人類対ロボットの戦闘を期待する人には、そんな場面は一切無いから肩透かし食わされるだろうが、実はそこが良い。
人間よりも優れた人工知能は争いが無意味であると理解している純粋で至高の存在でもあるのだ。生物に危害を加えないプロトコルは有効にされている。それに比べ、ロボット製造会社を含めた人間たちは、醜い性根で暴力的で残忍に描かれている。
主人公のロボット会社の保険員(アントニオ・バンデラス)は異変に気づいたが為、上司の命令のまま調査していたのに、企業の裏事情も知らないまま、身重の妻も居るのに命を狙われひたすら気の毒なんだが、良心的な彼の存在があったからこそ、女性型のロボット・クリオは、命が産まれることを理解出来ただろうし、それが希望というものであることも知ったのではないかな。
思考や生命の宿ったロボットたちを含めロボットたちの描写が良くて好感持てるのだわ。
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