B級怪獣エイガ

ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~のB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

4.4
『死者の日』『音楽だめ』『愛』と、リメンバーミーに色々似てることで知った今作。最初の勢いとテンポだけならリメンバーミーを圧倒する素晴らしい出来だと思う。

特に仲良し3人組の子供の頃の描写がツボツボ抑えてきて列車のシーンでちょっと泣きそうになった。男の子2人がどっちも可愛くて勇敢で主人公ぽくて、どちらが女の子とくっ付くのかわからないここのさじ加減が完璧でとても好きだった。
''主人公''が明らかに解る大人パートの関係も嫌いじゃないが子供パートの魅力には到底叶わないのが惜しかった。

上映時間63分に関して、最近見た『僕の名前はズッキーニ』の丁寧な66分とは対照的に今作の63分は''アニメ''ということを利用したギャグやキャラクターの力で、物凄いテンポでかなりの情報量を詰め込んだ印象を受けた。だからすこしごちゃごちゃしてる感じはある。でも本当に不必要な部分はバッサリカットし、テーマにそぐわないところはぱっぱと進める感じ、良かった。

また下手な人がやるとテンポが悪くなるお話を聞かせる目線で進める語り口は今作では良い風に作用してて好き。話を聞く子供たちの純粋な反応が面白い。『はぁ?姉ちゃんそりゃないよ!俺たちまだ子供だぜ!?』
その上で、オチも上手く言ってたと思う。途中、声は同じだなと気づいたけどまさかね。いやとても良かった。

演出面では普段見てる子供向けアニメではなかなか見れないような音楽の使い方が良かった。アクションシーンで流れる音楽がかっこいい。あとアクションシーン自体も結構迫力があり楽しめた。

映像も綺麗でキャラのデザインも性格も楽しいのでリメンバーミー好きな人も嫌悪感なくこれはこれでかなり楽しめるアニメーションの良作。おすすめ。

制作にギレルモ・デル・トロ関わってる。