享楽

味園ユニバースの享楽のレビュー・感想・評価

味園ユニバース(2015年製作の映画)
2.8
歌以外、全部忘れた男を拾って、”ポチ男”と名付けた。

「味園ユニバース」始まりは1人の男(渋谷すばる)が刑務所から出所するシーンから始まる。特に行くあてもないようで、ウロウロとタバコを吸いながら歩いていると、突如謎の男達に車で誘拐され、訳もわからぬまま車から振り下ろされ、誘拐した男にバットで殴られ気絶。起きたら意識を失っていた。
目を覚ました彼。何も喋らぬまま無表情でフラフラとホームレスのように歩いていると、大阪のある広場で行われていたバンド(赤犬)のライブに進入、ボーカルから無言でマイクを奪い取り、和田アキ子の「古い日記」を圧倒的な歌声で披露するやまた倒れる。
ここまでの流れは非常に面白く、多くの観客が口を開け目を丸くして見入ってしまいそうだが、これ以降のシーンや展開に特に面白みを感じなく、むしろ二階堂ふみ演じるカスミのキャラの良さだけが浮いていた。垢抜けなく女子高生の制服のようなものを着て、淡白で素っ気なく、ブスだが可愛げを感じるあの二階堂ふみはかなりエロく、性的な目で見てしまうほどだ(すみません)。
劇中の赤犬というバンドは実際に存在するバンドで本人達が出演しているらしいが、あのようなムード歌謡には個人的にあまり惹かれない。
記憶を取り戻すきっかけとなった出来事があまりに普通すぎるし、普通にしても映画なんだから上手く回想などを用いればよかったのに、「はいこれ見て聞いて記憶戻しました」のシーンの流れが単調淡白過ぎて失笑してしまったのが残念。
主人公が記憶を取り戻した後、当人が思い出した当人の過去の過ちの重さを割としっかり描いたのに、最後の決断で歌って終わりというのも本当に面白みがなく、それだけ主人公が人間的にクズといってしまえばそれで終わりだが、どうも中途半端な映画だと感じた。