OASIS

22ジャンプストリートのOASISのレビュー・感想・評価

22ジャンプストリート(2014年製作の映画)
3.7
若手警官コンビ、ジェンコとシュミットの潜入捜査を描いた「21ジャンプストリート」の続編。
今度は大学が舞台。
監督は前作同様フィル・ロード&クリストファー・ミラー。

前回のおさらいから入るという親切設計で、希少生物の闇取引現場から始まるオープニングから銃撃戦&カーチェイスと飛ばしまくり。
「予算が2倍」「前回と同じ事をやっていればいい」「前回より無駄に豪華」を皮切りにメタ発言のオンパレードで、「冒頭のカーチェイスに予算を使い過ぎた!」や「お金のかかる美術品をわざと壊してやがる!」など予算も増えた分それを弄るネタも増えて現場がめちゃくちゃ楽しそうな雰囲気が伝わって来た。
「いつか俺がホワイトハウスを守るんだ」という「ホワイトハウス・ダウン」ネタには笑った。

大学内で横行する麻薬取引の元締めを探す二人は、前回同様に捜査そっちのけでキャンパスライフをエンジョイしまくる。
体育会系で陽気なジェンコはアメフトクラブで脳みそ筋肉な連中とバカ騒ぎし、運動音痴で陰気なシュミットは美術部員達とワインを傾けながら知的な会話を楽しむ。
どちらも相棒以上に気の合うパートナーを見つけてしまい、二人の関係は警察としての職務を全うする為だけのものになって行く。

前作では取り柄の無いシュミットがそれ故に高校で人気者になるという話だったが、大学ともなると如実にそれぞれの違いが明確になり、ナードはナード同士、ジョックはジョック同士が連むようになって同じ学内にあっても相容れない存在になって来る。
ましてやスクールカーストの頂点に位置するアメフト部員と最下層のオタクではいくら友達だといってもあからさまに他者の目線は冷ややかで「お前も俺の所まで翔んで来いよ!」と言われてもその距離を埋める事が出来ないのは見ていて辛かった。

バカ騒ぎを目一杯楽しむ一方で、その騒ぎやスプリングブレイクが単なる頭空っぽ状態のものかと思うと実はそうでは無く、その流れの中でしっかりとストーリーが進展して行く抜かりの無さは、パーティばかりでダレそうになる部分を上手くテンポアップさせていたと思う。
アイス・キューブの使い方が絶妙で笑えたし、双子のヤン兄弟やシンシアのルームメイトなど脇のキャラクターを余す事無く使い切った脚本はお馬鹿なコメディとは侮れない。
メルヘンでダークなトリップ画面や、二人のすれ違い・再会を端的に表したスプリット・スクリーンの使い方のスマートさにも唸った。

「23ジャンプストリート(仮)」の予告から次々と繰り出されるグラインドハウス的なラインナップはどれも可笑しくて「ゲームの中に潜入捜査だ!」とか「ゼロ・グラビティ」っぽい「2121ジャンプストリート」とか、あれ?今のセス・ローゲンじゃね?という下りまで笑えた。
一体その中からどれが次の舞台になるんだろうか...。
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