なにこの異色青春ドラマ。心が震えた。
何もかもを前半と後半で対称的に描く。
ボクシングジムを覗く立場から、覗かれる立場。
そしてかつては男に身を委ねて泣く姿から、最後はその男と距離をとって泣く姿を見せる。
男がアパートに居ないと不安を見せるような、どっぷり依存体質からスタートしながらも、その後ボクシングに打ち込んでからは男との別れ際にも自然と自分の世界に戻っていく。
一子と狩野の距離がシーンを重ねるに連れて離れていき、それが依存体質から徐々に脱却していく様を表している。
それを見て、ああこれは一子の自立のドラマなんだなと感じた。
ボクシングに打ち込んだおかげでみたいな熱血の押し付け感をそんなに感じさせないところもよかった。