底辺にいる若者がボクシングと出会って…なんてストーリー、これまで何本映画になったんだか、つうくらいもう手垢にまみれてるけど、やっぱ作り手と演者の狂気とスレスレの情熱さえあれば、まだまだいくらでもフレッシュになる、という好例。
安藤サクラの圧倒的な演技はもちろんだけど、家族経営の弁当屋とかコンビニで働く人たちの人間模様に染み込んだ現代日本の底辺の風景描写に寒気すらした。ここから這い上がるなんて、ちょっとやそっとの努力じゃ無理だ。
逆にかつてはハングリーの代名詞だったボクシングジムのほうが、今やダイエット目的だったりして、よっぽど余裕がある人が集まってるのかもしれない…なんていろいろ考えさせられるまさに怪作だった。
