ヤックル

百円の恋のヤックルのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
5.0
姉妹喧嘩の末はじめて一人暮しと就職をすることになったひきこもり女性が、その勤め先で出会ったボクサーの影響ではじめたボクシングを通じて次第に変化していく姿を描いた作品。

この映画は何と言っても主役の一子を演じた安藤サクラさんがスゴい。
一本の映画のなかで、立ち姿や歩き方の姿勢が違ったり、ボクシングの動きが様になっているってのはよくあるとしても、それだけにに留まらず、体型すら変えてしまう安藤サクラさんの役者魂、恐るべし。
あと新井浩文さんのボクサーも良かったなぁ。
あのステーキは最高に笑えるんだけど、病人にステーキを出してしまうその体調管理の杜撰さだけで、こいつがボクシング強くない理由がわかる良いシークエンスだった。
あと100円ショップの店員はベストオブ最低だった(笑)

脚本に関して、この映画の劇中で印象に残ったのは、ボクシングと言うスポーツは「憎みあってるわけじゃない。試合が終われば肩を寄せあう。」と「憎まなきゃ殴れない」ってエピソード。
劇中でこの問の答えは提示されないけど、一子は今後どのようにクシングと向き合うんだろうと思った。

ボクシングを題材にした新たな傑作であり、最初と最後で映画の印象が全く違ってしまうほど、最低な人生を送る女の最高の成長譚の傑作でした。
そして安藤サクラさんと言う女優の価値を決定的にした一本だと思います。
これを見逃す手はないと思います。
本当にオススメ!
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