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百円の恋のBillytheKidのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
4.1
武 正晴「百円の恋」 『良い映画観たなぁ』っていう幸福感に包まれた。 スポーツというのは、殊にそれを物語にするには人物の魂が1つ1つの挙動に宿らなければ圧倒に至らない。この映画では自分を変えるため、前に進むためボクシングを始めた堕落女の喜怒哀楽全てが詰まっている。 不器用な恋、誰にも認められない苦しみ、それらが主人公(一子)の拳に宿っていた。人が変わったように背中を押され、無我夢中で拳を振り続ける様は底抜けにカッコ良かった。 ある文学者が堕ちて堕ちて堕ちきったモノの這い上がる力は計り知れないと言っていた。 人は絶好の勝負機を本能的に知っていて、その時には途轍もない力を発揮するものなのかと、この映画でもそう思わせてくれ、勇気をもらえた。
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