強烈におすすめする。
安藤サクラ演じる、一子の
序盤のだらしなさと鈍さ。
後半の変貌ぶりに、目を疑った。
こんなに、変われる…?
どこにでもいそうな、
30を超えて特にやりたいことがあるわけでもなく、家でゴロゴロする日々を送る一子。
結婚しろ、とか
家をでろ、とか
手伝え(仕事しろ)、とか。
言われるであろう言葉を分かっていながら、何かしなければと思う瞬間はあってもどうして良いかわからないまま、ただやり過ごす。
ある日、妹と激しく喧嘩し、その勢いで家を出た。
外で、働き始めた。
男の人と関係を持った。
ボクシングジムに通い始めてみた。
人生が、凄いスピードで動きだす。
一子の動きが、速くなる。
身体が締まっていく。
そして、リングに立つ日を迎える。
「勝ちたかったんだ、一度でいいから勝ちたかったんだ」
試合後に一子は泣きながら言った。
話自体には目新しさはない。
ただ、観終わったら、
腹の底に小さな熱が生まれるような、沸くような、強さを宿らせてくれる。
安藤サクラの演技が凄まじい。
必見。