そうめん

百円の恋のそうめんのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
4.3
主題歌から。例のごとく前情報なし。ボクシング映画とだけ。だから色んな意味でド肝を抜かれた。感想長いです。
出てくる人物が9割ダメ人間。まず主役の安藤サクラがすごい。最初は、本当に汚らしく女を捨てているしコミュ障でひきこもり。それが違和感なく受け入れられてしまう演技力。だらしなく見せるための役作りで10kg太ってから、ボクサー用に体づくりを10日で仕上げた(うろ覚え)とか常人じゃない。「自分は100円の価値しかないので」っていう言葉が全てを表してる気がする。
新井浩文のクズ男っぷりも素晴らしかったなぁ…。最初はかっこよく見えてたけどどんどんダメ人間なのがバレていくという。一子の逆を行っていて対比が面白い。あんなに利己的でクズなのに一子が思い続けるのは惚れた弱みなのかな〜とか思ったけど、ラストシーンで少し理解出来た。
一子がとある一件からどんどん変わっていく姿があまりに綺麗で、目を見て挨拶しているシーンで泣きかけた。でもラストシーンで泣いて思いを吐き出すシーンではもう涙が止まらなかった。どんなに酷い事があっても泣かなかった一子が泣くのは、このラストと狩野の料理(というか焼いた肉塊)を食べるシーンのみ。
「もうすぐこの映画も終わる」と歌って始まる主題歌「百八円の恋」がラストシーンに被せられるのも上手いし、歌詞が物語を凝縮していてこの曲への思い入れが強くなった。尾崎さんはすごいな。
万人に勧めれる映画とは言いづらいけど、すごく好きな1本になりました。
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