毬子

はじまりのうたの毬子のレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.3
『ストーリーも結末も知っているのに何度でも観たくなる作品』

音楽を題材に描いた作品はたくさんあるけれど、何度でも観たくなるものは少ないのではないだろうか。

ストーリーは凝ったものじゃないし、演出も飛び抜けて珍しいものじゃない。親子愛も挫折もテーマとしてはよくある。それなのに何度でも観たくなるのはバンドのメンバーが心から楽しそうに演奏して歌っているからだ。

そうだ、この作品は気持ち良い。だから観たくなる。

ギター1本で歌うのもいいけれど編曲次第で曲が活きてくるのが楽しい。
ドラム、ベース、ピアノ、バイオリン、チェロなど楽器が増えるたびに音に厚みが増して表情がでてくる。

素材を活かしたシンプルな品もいいけれど、料理として完成された曲がきちんと盛り付けられサーブされるのを見ているようで面白かった。

恋愛ものといえばそうだし、音楽ものといえばそうかもしれない。
最後はみんなハッピーにまとまるし、とにかく鑑賞後はしあわせな気持ちになって満足!という作品です。
毬子

毬子