『ストーリーも結末も知っているのに何度でも観たくなる作品』
音楽を題材に描いた作品はたくさんあるけれど、何度でも観たくなるものは少ないのではないだろうか。
ストーリーは凝ったものじゃないし、演出も飛び抜けて珍しいものじゃない。親子愛も挫折もテーマとしてはよくある。それなのに何度でも観たくなるのはバンドのメンバーが心から楽しそうに演奏して歌っているからだ。
そうだ、この作品は気持ち良い。だから観たくなる。
ギター1本で歌うのもいいけれど編曲次第で曲が活きてくるのが楽しい。
ドラム、ベース、ピアノ、バイオリン、チェロなど楽器が増えるたびに音に厚みが増して表情がでてくる。
素材を活かしたシンプルな品もいいけれど、料理として完成された曲がきちんと盛り付けられサーブされるのを見ているようで面白かった。
恋愛ものといえばそうだし、音楽ものといえばそうかもしれない。
最後はみんなハッピーにまとまるし、とにかく鑑賞後はしあわせな気持ちになって満足!という作品です。