凄くハッピーな気持ちになれる音楽映画。しかしコロナ後に観たので、現在の音楽業界のことを思い、かつての世界としてノスタルジックな気持ちで観てしまった。
あまりに幸せで、あまりに美しい物語なので、2021年現在だとファンタジーにしか感じない。
それでもジョン・カーニーは友情を感じていた男女が恋人関係になりそうで、だけど内心葛藤して諦めるという演技演出が上手い。彼のAmazonドラマ「モダンタイムス」でも揺れ動く男女の心の動きを台詞なしで描いていた。音楽映画だけではなく、実は恋愛映画の名手でもある。
彼に現在のコロナ禍における音楽業界の苦境とそこで生きる人々の悲喜こもごもを描いてもらうことを切に願う。
今、ミュージシャンは、音楽は、どうあるべきなのか、変わらないものは何なのか、それを描いて欲しい。
彼ならきっと希望を表現できると信じている。