敬愛なる石井隆監督作品
最期の作品となった本作。
公開時から数年ぶりに全編通して観た。
はっきり言って映画としてはチグハグで石井美学も感じる場面はない。
石井隆ならではのバイオレンスではなく「暴力」描写も極めて少ない。
情念を描くには若い役者陣には荷が重かったか。
19年前の『GONIN』を観ていないとわからないことが多いし感情移入もしにくい。
逆にいうと19年前の'あの事件'の続きが観られるのは嬉しかった。
まさに人生をかけて出演した根津甚八の生き様を観る作品であり、石井隆最後の作品として彼に運命を狂わされた者たちは愛さざるを得ない作品
この作品の撮影に少し携わることができたので、そのときのことを少し。
土屋アンナさんの現場での気配りが凄かった。
だからこそ濡れ場はできないだろうけど土屋アンナさん主演の『黒の天使』のようなハードボイルドタッチな作品も観てみたかった。
