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GONIN サーガのnakashunkiのレビュー・感想・評価

GONIN サーガ(2015年製作の映画)
3.8
この前見た「ストロベリーナイト」の映画版にもかなり雨降らせてましたが、

この作品は、なんちゃって雨降らせました的な安い演出でなく過剰なまでも雨押し演出、
残念ながら何箇所か時系列が早すぎる、明らかにカットされてる?のでは。
DVDリリース時にはノーカット版が見れるのか?

それはともかく冒頭の前作からの引用シーン、もっくん&根津甚八の襲撃シーンの迫力、ここで一気に引き込まれた所為かその後の現代パートがしょぼく感じられ不安がよぎったのだが、
後半クライマックスに向けて怒涛の展開だったので全体的には文句なし。
キャスト&演出ともに前作に劣るが、
ポスト・バブル〜震災後のこの時代に時代錯誤な作品が作られたことが奇跡、
いや北野武の「アウトレージ」がヒットしたのでプロデューサーもイケるともに判断したのかな?

柄本祐や桐谷健太、土屋アンナはこれまでの実績通りの演技で安心してみていられるのだが、
人寄せパンダ的な役割でキャスティングされた?かのような、人気若手俳優から東出昌大が抜擢されたのは如何なものか?
変な声が気になってインテリヤンキーっぽさはイマイチ切れが悪るすぎ。
平成の郷ひろみとしてアイドルデビューさせたいほど、誰か東出昌大にハマる演出を施してくれないだろうか?

キャスト的には安藤政信久しぶりに見たが美味しい役どころ、光ってたね。
あと主人公の母ちゃん役の井上晴美、「フリーズミー」の頃と比べ劣化してない!まだまだ充分肉体派?演技派としてやっていけそう。
グラドル出身の演技派として、小池栄子らの先輩としてまだまだ頑張ってほしいところです。
「フリーズミー」の頃は肌が荒れて逆にそれがリアルでよかったんだけど今作ではガラッパチな母親でも充分綺麗で魅力的だった。

たまたまなんだけど20年前に見た前作も今はない福岡中洲のガラガラな映画館で、
あっ、しばらくロードショーするような大作、石井隆は撮れないなと思った。
今回も同様ガラガラな中洲のシネコンの夜の回だったのだが思い出しふと感慨深いものが…。
ただ熱心に上映後に語り合っていた男三人組がいたので、
ヒットしなかった前作はじわじわと人気はその後地味に広がってたんだなあと、特に男のファンの間では。
興行と映画の出来は別物だなとつくづく実感。
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