爆裂BOX

ディノシャークの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ディノシャーク(2010年製作の映画)
3.3
船で世界を放浪していたトレイスがメキシコの町に戻ってきた。懐かしい友人達との再会も束の間、海で泳いでいた親友のリタが謎の生物に襲われて命を落とし…というストーリー。
温暖化の影響で崩壊した氷河から解き放たれた古代ザメが人を襲うロジャー・コーマン製作のモンスターアクションです。監督は「ディノクロコ」のケビン・オニール。
アラスカの海からメキシコへやってきた古代サメ「ディノシャーク」に親友を殺されたエリック・バルフォー演じる主人公トレイスが、仇を討つ為と町を守る為、水球のコーチで生物学者のキャロルと戦いを挑むという展開です。ストーリー展開はオーソドックスなモンスター物で、「フェスティバルでにぎわう街にモンスターが現れてパニックになる」等コテコテな内容ですね。終盤のサメがビーチを襲撃に向うというクライマックスの時もビーチで遊ぶ人達を映し始めたりしてテンポが悪い所もあります。ここで野生のダチョウがビーチをうろついてるのはちょっと笑った。メキシコの海水浴場ではよくある光景なのか?
ディノシャークはワニの様な頭部にゴツゴツした表皮持った姿で、サメというよりは「ジュラシック・ワールド」にも出てきたモササウルスのようですね。トレイスにも最初「あれはサメじゃない」って言われてますし。「ディノクロコ」の監督だけあってCGの出来も上々ですね。襲撃シーンの口のアップは模型使ってるのかな?ただ、襲撃シーンは海面から飛び出て喰らいつくか水中に引きずり込んで頭部に食らいつくパターンが繰り返されるので単調で面白みには欠けるかな。硬い皮膚は弾を通さないという設定のようですが、そもそも銃撃受けるシーンが少ないのでこの設定あんまり活かされてないな。ゴア描写はほぼないですが、リタの喰いちぎられた死体は結構グロかったですね。
ヒロインのキャロルのキャラが結構ぶれてますね。この手の作品でよくある「貴重な生物だから生け捕りにしよう」と主張したりしますが、最後は「古代生物は絶滅しろ」といったりと言ってる事ブレブレです。ブロンド美人で常に薄着で行動してる所はコーマン作品のヒロインという感じ。主人公トレイスの親友の一人であるルイスは軍関係者のダチからロケットランチャー入手してたけど使わなかったな。彼が喰われた時ショック受けてるのヒロイン一人で、他の大勢いる人達無反応なのは違和感ありましたね。トレイスも「何してる?さっさとサメを追うぞ!」とまるでいなかったかのような反応ですし。お前親友じゃないのか。
「ジョーズ2」の様に飛んでいるヘリコプターに食らいついて引きずり落としたり、海中から飛び出して水上スキーの運転手やパラセイリング中の男に食らいつく所は見応え感じました。水球大会に現れ選手の女子高生達に食らいつく所もイイ感じのパニック感だったと思います。遊覧船が襲われる所は「ディノクロコ」の監督だけに海に投げ出された家族連れの子供が喰われるかとちょっとハラハラしました。両親が喰われるのも容赦ないけど。
ラストの対決でジャンプしながらディノシャークに手榴弾投げつけるエリック・バルフォーの姿はスタイリッシュでかっこよかった。
出来としてはオススメするほどではないけど悪くはない平均点のモンスター映画という感じですね。個人的には後半は見所もあって結構楽しめました。