人間関係は、生きているときの方が勿論複雑だが、相手が死んでしまうと、相手の時が止まる分、自分の揺らぎが明瞭になると思う。
亡くなった相手に対して、未だ自分が生きていることへの罪悪感があるのか、置いていかれたことを怒ってるのか、もう会えないことを悲しんでいるのか、それもひっくるめてただ愛しているのか。
自分の内面が年を経るごとに思いは反響して混ざり合って答えが出ることはない。
そうした思いのなか、
「区切りなんて、つけない方が楽なことだってあるよ」
というのは、ほんとうにそうだと思う。
わたしもたまに会いに来てくれないかなと思うことがある。
できればもう少し穏やかな道ゆきの方がいいけれど。