Deebee

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のDeebeeのレビュー・感想・評価

4.5
いやー...すごい。強烈です。面白かった!!良い意味で、イかれてる。個人的に大好きな作品。

セリフに俳優やアメコミヒーローが沢山出てきて、ハリウッドの映画界や批評に対する強烈な皮肉となっている。メグライアンの整形医とか、ブラックジョークが酷い笑

カットが全然無い長回しのように見える撮り方がすごい。そのため舞台裏と舞台も見事に連続していて、演技のオンオフやドタバタした裏側を観れるのでリアル。面白い。

かつてアメコミヒーロー•バードマンを演じたリーガンは今や落ち目。そのくせ過去の栄光に浸り、恥をかくことを嫌がり、名声や人気を気にして、ピンチに直面したり自信が持てなかったりすると、直ぐ現実から逃げようとする。
そんな彼が絶望や苦悩、理想と現実の剥離にもがきながらも少しずつ成長していく様が素敵。マイケル・キートンの演技が恐るべし。

また、「舞台でしか自分を出せない」と徹底的にリアルさを追求する、孤独なマイクを演じたエドワード・ノートン、
リーガンに父らしい姿を見せてもらってこなかった為か、屈折してしまった娘サムを演じたエマ・ストーンも、ほんとに素晴らしかった!!!!!

個人的には、舞台の主演としての重圧に精神的に追い詰められるけれども、
1番気にしてたはずの他人からの評価がどうでもよくなり、自己否定してばかりの自分自身への満足感や達成感みたいなものをやっと得られたクライマックスが、ブラックスワンに通ずるように思った。

ラストシーンは人によって解釈が分かれそう。
でも、ハッピーエンドなんだろなぁ、きっと。サムが微笑んだから。

唐突に流れるクラシックやドラムも斬新で
凄いなぁ。センスの良さに脱帽です。

・マイク "Popularity is the slutty little cousin of prestige.
人気と名声は尻軽なイトコ" (笑)

・サム 「(トイレットペーパーのシーン)私達のエゴや執着がいかにちっぽけか」

・真実か挑戦か?
・スーパーリアリズム!
Deebee

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