この作品で重要なのは、監督・脚本が「アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ」であることです!
彼が今までに作りあげた作品は全て、人間の人生や命の真理を追求したものになってます。(cf.「ビューティフル」「21グラム」「バベル」「レヴェナント」)
そしてこの作品は、「私が手がけている作品は人々(観衆+評論家)に媚びる作品ではなく、あくまでも自分自身を表現しているだけなのだよ。」と監督の声(バードマン?笑)が聞こえてきた気がしました。そうです、彼の作品は今作の主人公が最後に評価された「スーパーリアリティ」そのものなのです。
愛(人気)を求めて行動し、愛されるのではなく、自分がした行動の結果、愛される。
この因果関係が大事なんです。
なぜ主人公は最後に自由になれたのか。それは自分そのものを表現した後に、それが評価されたからです。
ヒーローものを批判しているのは、観衆に愛してもらうために作られた作品であるからで、評価されるべき因果関係が逆なんですね。
ラストシーン手前
スパイダーマン、アイアンマン、バンブルビーが闘っているシーンを映した直後に、砂浜に打ち上げられたクラゲが描写されてました。
彼の映画はまさしく、あのクラゲを描き続けるという地味で面白みのない映画です。
でもそこにはリアルがあります。
リアルなヒューマンドラマというよりかは、生命そのものを描いてます。
自分自身を表現をする。
それこそが自分の存在意義を示す唯一の方法なのではないでしょうか。
あのクズ俳優がどれだけ嫌われようが自尊心で溢れている点も納得いきますね!
主人公は彼とは対極的でしたね。
アイデンティティ持たずして、生きがいのある人生を送ることはできません!仕事はお金だけじゃないとはまさにこのことか!
もう一度、あの舞台のセリフを見返してください。そこに全てが詰まっています!