駄作！
相米映画の長回しが時として技巧的すぎるがゆえに退屈になってしまうように、この映画でのそれは技巧でしかないがゆえに、更に輪をかけて退屈になる。というかただの技術的進歩でしかなくて、どうやって撮ってるの？という興味が先行するなら、それは映画的な凄さでは全くない。
物語としても大したものではないし、カサヴェテスの「オープニング・ナイト」がなぜあんなにすごいのかということをみているあいだは考えるばかりだった。奇跡という事象を映画のタイトルとして名乗ってはいるけれども、これではあまりにも過去の＜奇跡＞を描いた作品群に失礼というものだし、心を病んだ者(それもかなり軽症な）の個人的なルサンチマンを奇跡として昇華させるだけなのだから、キリストの伝記映画をみた方が100倍はマシである。
