こざち

アルジャーノンに花束をのこざちのレビュー・感想・評価

アルジャーノンに花束を(2006年製作の映画)
3.1
む、虚しい…
学生時代原作を読んだ時の衝撃がフラッシュバックしました…。鑑賞中ずっと今後の展開が頭をチラついて安心することはなく、映像がついたことで虚しさがエンドシーンで一気に押し寄せて言いようのない遣る瀬無さが残りました。
ストーリー展開にメリハリは少なく、音楽のせいもあって一本調子なんだけど、主演のジュリアンの演技が光り障がい者から天才へ、そして知能の衰退を悟り荒れ、元に戻るという悲劇を見事に演じていました。

チャーリィの苦悩やジレンマがひしひしと伝わってきて、本人が希望したとはいえ高い知能に振り回される様子がまさしく「人工的」で恐ろしくなりました。
冒頭に「鏡を割らなければ不幸は訪れない」と言っていて、中盤レストランで鏡を割るシーンがあり、そこから終盤へと向かうので不幸を示唆しているんだなとしみじみ感じました。
原作はまだ違う終わり方だったはず!読み返したくなりました。
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