Uえい

荒野の千鳥足のUえいのレビュー・感想・評価

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)
3.5
「ボーはおそれている」の予習として、早く見たい。オーストラリアの田舎町で全財産ギャンブルで溶かした男がやけになってビールとバイオレンスにまみれる悪夢のような映画で、見た後へとへとになって少し体調悪くなった。

ジョンは田舎町で教師をしていた。クリスマスの休暇が始まり、シドニーに帰ろうとしていた。冬だけどオーストラリアは蒸し蒸ししていて暑そうだった。途中、ヤバという町を経由する必要があり一泊することになる。

町の人が優しくてビールをどんどん奢ってくれる。流れで酒場のギャンブルにハマり全財産失い、行く当てが無くなってしまった。しかし、町の気のいいおじさんが家に泊めてくれて良くしてくれる。仲間たちも集まってきて、どんちゃん騒ぎが始まる。しまいには車で荒野に飛び出してカンガルー狩りを始める。

度を超えた馬鹿騒ぎに巻き込まれて訳がわからなくなるが、何とか気を取り直し、翌朝にヒッチハイクでシドニーに行くことを決意する。しかし、手違いでヤバの町に戻ってしまい、現実と悪夢の違いが分からなくなり、ライフルを頭に向けるのだった。

ある町に迷い込むというのは、インスマスを覆う影的な不気味さがあった。ある意味村ホラーなのだが、町の人は奇妙だが優しく、カイジやウシジマくん的な、本人次第で誰でもふと理性を失ったら陥ってしまいそうな破滅が描かれていてゾッとする。
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