調伏系V魔虚羅

パロアルト・ストーリーの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

パロアルト・ストーリー(2013年製作の映画)
4.3
サンフランシスコの街パロアルト。将来について思い悩む女子高生エイプリルは、所属するサッカーチームのコーチのミスターBと関係を持つ。一方、同じ学校の内気な少年テディは彼女への気持ちを伝えられずにいた。そんなテディは、ウマが合うフレッドと一緒ドライブに出掛け、ストレスを解消していたが…。
本作はジェームズ・フランコが2010年に発表した短編小説集『Palo Alto』を原作としている。尚、監督のジア・コッポラにとって本作が長編映画監督デビュー作となった。
大人への階段を登るか、今という時間の流れに逆らわずに身を任せるか。自らの居るべき場所を模索しながら二つの恋に揺れる。大人になりたいけど、まだ子供だから大人の意図なんて分かりっこないし、心は繊細だから公私を直ぐに切り替えられる大人に振り回されなんてされたら壊れてしまう。だけど、そんな繊細さが愛おしい思春期という名の生き物。気が付けば、その苦くて甘い経験を経て大人になってしまうもの。青春映画を見る度に、あの期間に何もしなかった自分を悔やむ。思春期が人生の中で一番輝く瞬間だなと常々思う。
ヴァル・キルマーの息子で映画初出演のジャック・キルマー。初出演とは思えない程に、内に自分を隠してしまうナイーヴな少年役がかなりハマっていた。
調伏系V魔虚羅

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