Akinorider

きみはいい子のAkinoriderのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.5
子どもを持つ親なら必見だと思うし、例えば子どもがいなくてもこれから年老いた両親の世話をする時がくるならば、是非観て欲しい映画だ。
いけないことと分かってはいても、自分の肉親、子どもが思い通りにならない時、怒りを覚えてしまうことがあるだろう。思わず目を背けてしまいたくなるシーンがこの映画にはある。それは刺激的だからではなく、身に覚えがあるから。私たちに当事者性を喚起させるからだ。
そのような私たちの弱さをこの映画は優しく、そして強く抱きしめてくれる映画なのだ。中盤、主人公の姉が、主人公に向けて、そして自分にも向けたようにつぶやかれる言葉は私たちにとってまさに小さな勇気となる。
この作品は監督前作の函館に続いて北海道の小樽が舞台である。しかし、小樽に行ったことない人は気付かないのではと思うくらい小樽感はない。それこそどこにでもある少しお洒落な郊外として描かれている。そのことがこの映画の普遍性を強化しているように思えた。
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