TaroYamada

マルティニークからの祈りのTaroYamadaのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
2.5
実際に起きた事件に基づく映画化で、まだ数年しか経ていないにも関わらず制作する熱意は素晴らしい

貧困が悪いのか無知が罪なのか、卵が先か鶏が先か…貧困故に、無知故に、犯罪に手を染めてしまった女性の実話を元にした作品

仏領ギアナからフランスへ知らされないまま麻薬を密輸しようとして検挙され、担当裁判所が大西洋上の仏領マルティニーク島にあるという事で、フランス本土から島に移管され長く当地で拘置処分を受ける
本裁判を行うにも主犯格が逃亡中で供述が得られない為、さらに拘置期間が長くなり…と話が進んでいく

言葉も不自由な中での拘留生活、制度も違うので無罪を訴えるのもままならない、また在外公館も非協力的態度を取り続ける
犯罪を犯した女性、その家族にとっては不幸ばかりが襲ってくる

本作での女性は同情の余地は有るにせよ、麻薬密輸を行った事実には変わり無く、巻き込まれ事件の映画化としても感情移入はしにくい作品であった
しかしながら卑怯なまでの子役の可愛さ、健気さ、演技の巧さで主人公一家に対して同情はしてしまう、自らが同じ立場だったらと思えば、身の毛がよだつ思いだ

卒なく作られているし、後半主人公の解放へ向けての動きはドラマ的盛り上がりは多少有るものの、映画としては特筆すべき価値は無い様に思う