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マルティニークからの祈りのGASSのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
3.8
もうなんて言っていいのか。
言葉が出ませんね。
2004年に実際に起きたチャン・ミジョン事件を元にした韓国ならではの実話ベースの作品。

どこまでが事実でどこからがフィクションなのかは私には分かりませんが、この作品で描かれていること......
知らぬ間に犯罪に加担してしまうかもしれないという恐怖。
国のあまりに無慈悲で杜撰な対応。
言葉も通じぬ見知らぬ土地での刑務所生活。
全てに背筋が凍るような恐ろしさを感じました。

夫が抱えてしまった多額の借金返済のため、友人から仕事をもらった妻ジョンヨン。
それは金の原石を韓国からフランスまで運ぶというものだった。
しかしフランスに着いて空港でバッグの中身を確認されると、中には大量のコカインが入っており、ジョンヨンは逮捕されてしまう。
その日から韓国とフランス遠く離れてしまった夫婦の戦いの日々が始まった....,

あまりにも胡散臭い仕事を自ら受けてしまったジョンヨンの自業自得という面も確かにあると思います。
だからと言って、大事なフランスへの提出書類を紛失してしまった韓国大使館のやり方は大問題だと思います。
もしもテレビ局が特集番組を組まなかったら、それこそどうなっていたか分かりません。

観ている間中、ずっとイライラが止まらない作品ですが、ラストは気持ちよく泣けるのでオススメです。
特に小さなお子さんを持つ女性には胸に響く作品では無いでしょうか。

主演はカンヌで女優賞を受賞しているチョン・ドヨン。
衰弱していく妻を見事に演じきっていました。
夫役はコ・スが演じているのですが、コ・スって工藤阿須加に激似だと思うのは私だけじゃ無いはず
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