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ニンフォマニアック Vol.2のswagのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
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Vol.1はジョーが自分の人生を遡って物語のように章に分け、初対面の博識おじさんセリグマンに話していくというストーリー構成自体が面白かったけど、Vol.2はその物語のなかで年齢を重ねるにつれて異常な行動に制御ができなくなるジョーに恐怖心を抱くようになる。観客の精神状態を不安定にさせ、安心したと思ったらまたどん底へ。胸糞映画ってまさにこれかーと感じた衝撃のラストに2部作にした作者の思惑を感じとり、何故か一本取られた気になった。悔しい。

観客がいつの間にか登場人物の性別や態度、想像で勝手な人間像を作っていて、次第に自分自身の潜在意識を浮き彫りにさせられる。

ジョーは女性という窮屈な殻から抜け出したかったのかなと、本当に最低な行為をするけど、うちに秘めた怒りや圧迫感、快楽に依存してしまう気持ちも分からなくはない。
ジョーと同じ女性として、もしこの作品の主人公が男性だったら多くの人のこの作品に対する見方が変わるのではないか、そう考えてしまう。その答えは分からないけど、この問いの答えを知るとき、今の世の中の根底にある性別的な潜在意識そのものを浮き彫りにするのだろうと思う。ただ、無意識から出るものだから潜在意識自体は悪いことでも良いことでもないのかなとも思う。なんか考え出すと止まらなくなる題材だな。

Vol.1を見た時にはあまり思わなかったけど、思ってた以上に考えさせられる。
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