スキピオ

パシフィック・リム アップライジングのスキピオのレビュー・感想・評価

4.0
<熱さは物足りないものの、アクション映画として上出来かと>

いやー荒唐無稽さはあるけど普通に面白かった。けったいなアジア企業が出てきたり、SF映画的お約束に「忠実」でありながら「はーん、そういうパターンね」と思った所で「ハズし」もあり、合体や空中飛行など「上がる」インフレ要素もありで、ダラダラせずきっちり2時間。続編でただ世代が変わってまた怪獣と戦う、だけじゃなくてそれに至るまでの「前段のプロットや仕掛け」を前作を研究しつつ意外とよく考えてるなと思った。

個人的には「汎用人型決戦兵器」の出てくる某アニメを強く想起したなぁ。シャオ企業の無人兵器の頭部デザインと登場後の展開(←テンション上がる)とか、後半の怪獣の出現の仕方(←テンション上がる)と目指す場所とか。

日本が舞台になりながら日本ロケはほぼ無し。でも道路標識をよく見てると「あ、早稲田通り?の上にドデカイ怪獣がいる」ってニヤリとできるし、富士山の七、八合目だかの木がなくなる境目の雰囲気はリアル。

ただ漫画・アニメ・特撮の国の人間からすると、肝心のロボットバトルシーンに関してはタコ殴りばっかりで終始平凡で熱さがない。多くのアメコミ映画でもそうだけどつくづくアメリカ人は”漫画的”バトルの描写と盛り上げが上手くないなぁ。「新世代へ」というフレコミのわりに若手チームの描き方が少なくモブの域を出ないのが非常にもったいない。あとイェーガーは重力とか操る割に性能に奥行きや面白みがないというかなんというか。

それでも、製作の”俺たちの”レジェンダリー・ピクチャーズが中国資本に染まってしまってもなおも残る「日本リスペクト」の数々に感謝!