日向日向

パシフィック・リム アップライジングの日向日向のレビュー・感想・評価

3.0
もしかしてあの映画?

待望の新作…だが。
前作のワクワクは何処へ…と言いたくなるような出来ではっきり言って残念だった。
無論、怪獣対イェーガーは文句なし…とはいかないが満足この上ない。だが、人間パートはこれ本当に続編か? と言わざるを得ないお粗末な出来だ。
何よりも各キャラの掘り下げが皆無なのだ。そのくせ、各キャラがなんか深い背景を持っているっぽく演出するものだから、あ、そうですか…としか感想が出ず、感動なんて以ての外なのである。

だが、やはりというか当然なのだが怪獣が出てきてからはまだ観れる。というか、怪獣登場までが長すぎることこの上ない。
比喩に使うのも腹立たしいが、最も適した例はこれなので挙げるとすると、無人機云々の流れはまんまエヴァンゲリオンだ。
無人機暴走はバルディエルの流れをなぞっただけだし、集まりに集まった無人機たちは量産型にしか見えなかった。
目的もなんか不明瞭であり、取ってつけたように日本に来るのも変な感覚だ。
だが、怪獣オタクの熱意は真に伝わってきた。
監督が「東京をぶっこわしたい」と息巻いて宣言するほどの怪獣への愛がなんとなしに伝わってきたからまだ観れたものだろう。

あと、キャラの無駄遣いがひどい。
前作の、デルトロ監督が作った魅力的なキャラを惜しみなく処理する辺りにやや苛立ちが覚えた。
「意味のある死」を表現したかったようだが、前述の通り浅い描写故、犬死ににしか見えなくて辛かった。
1番腹立ったのは、あの凸凹博士の処遇だろう。それに関しては深く言及は避けるが…。
ロシアっ子とアマーラの揉め事はどうなったのか? アマーラの過去のトラウマはどう払拭したのか? など根本的な説明が虚無なため何の印象も残らない脚本が誕生したと言えよう。

褒める部分は勿論ある。各機体の個性を活かした戦い(鞭に関しては意味わかんなかったが…)はよかったし、迫力ある構図を作り出す努力は非常に見られた。
それに、あのお馴染みのテーマ曲を流すタイミングが素晴らしい! かと思えば、それに固執するのではなくすぐに切り上げ、一見合わないような歌謡曲へとシフトするのもまたまた意表をついてきてよかったのだ。よかったのだが…。

この既視感は何か。
そう、『インディペンデンスデイ リサージェンス』と著しく酷似していると鑑賞後、強く感じられた。
そりゃ、行動の理由が違うの当然だが…何かこう、全体的に似てて、斬新さにかけるのだ。
まぁ、当初の期待値が高すぎたってのも要因かもな。
製作時にすったもんだあって、当初は人対人を描くつもりだったのが変更して…としている最中に全部間違って同じ鍋に入れて煮込んでしまったような作品だった。

でも、まさか最後の締め方まで酷似しているのは動揺を隠せなかった……
日向日向

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