ハヤシ

マイ・インターンのハヤシのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・インターン(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

正直に言うと、キラキラ女子の好きな映画、という先入観があり敬遠していた(笑)予想より面白かった。2時間のあいだ、一切退屈しなかった。

『ショーシャンクの空に』を筆頭に、主人公の振る舞いによって周囲の人々やコミュニティが良い方向へ変わってゆく構図は、アメリカ映画の王道パターンかもしれないが、それでも鑑賞していて気持ちが良い。
登場人物が最終的には全員善人なんだけど、それはベンの振る舞いによるものだと解釈することもできる。

華やかなITスタートアップ、そこに所属する地味な男性エンジニア、仕事ができないアイビーリーグの社員、00年代後半あたり〜現在までのベンチャー企業のディテールが散りばめられていて、それだけでも主題としては新鮮。それに併せて、キャリアを棄てた専業主夫や女性キャリアウーマンの葛藤などの細部さえ描写されるからこそ、オールドスクールな主人公の対比が際立つ。

小並感だが、アメリカ特有の「多様性の受容」みたいなものがよく描かれていると思った。論理的に正しく、かつ発言者が誠実であれば、年齢や人種に関わらず個人として偏見なく認められる土壌があるなと。
だから、これを例えば日本版にローラカライズして、渋谷のITベンチャーを舞台にしてみても、おそらく社員たちは70歳の老人を受け入れない(それか表面的に受容して陰で悪口言ってそう)。もちろん西洋にもおべっか文化や「ホンネとタテマエ」文化はあるが、少なくともこの作品の要になる点は日本や日本人には再現できない要素だと感じた。
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