りり

ニューヨークの巴里夫のりりのレビュー・感想・評価

ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)
4.6
微笑ましい悩める男グザヴィエのシリーズ三部作「スパニッシュ・アパートメント」、「ロシアン・ドールズ」に続く本作「ニューヨークの巴里夫」

第一部では留学生時代をバルセロナで、
第二部では社会人をロンドンときどきモスクワで、
第三部で40歳になってもまだまだ悩める男グザヴィエがニューヨークに上陸。

今作でもひたすら自分の人生に悩み、そこで友達に助けられ、しかしながらその友達から自分の人生を左右しかねない頼み事までされて益々悩みの種が増えるばかりのグザヴィエ。

国際色豊かな人種のるつぼと言われるニューヨークと悩みのるつぼであるグザヴィエが何とも言えぬマッチ感。
パリジャンであるグザヴィエ目線から見たニューヨークの描かれ方も新鮮でユニーク。
悩みに悩んだ末、ニューヨークのいたるところで右往左往するグザヴィエの姿に爆笑しながらも彼が直面する苦悩に一緒に頭を抱えてしまう。

何より第一部のスパニッシュ・アパートメントを見ている方や第一部が特に好き!という方には二倍楽しめる作りになっています。

もうここまで来たらグザヴィエが没するまで見ていたくなるぐらい彼の人柄に魅了されました。

人生は難解不読なのだから大いに悩みなよ!とグザヴィエに言われたような気がします。これで完結なんて寂しい、まだまだ彼の悩む姿を見ていたい!
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