ゆみな

チャイルド・オブ・ゴッドのゆみなのレビュー・感想・評価

チャイルド・オブ・ゴッド(2013年製作の映画)
3.5
その屍姦には愛がある


ジェームズ・フランコ監督作品ってことで観賞。これ、面白かったんですよ。レスター・バラードを演じるスコット・ヘイズが物凄くてね!冒頭の字幕で、レスターのことを『あなたによく似た神の子である』ってわざわざ教えてくれるんだけど、途中まではぜんぜんそんな事1ミリ足りとも感じなくてね(笑) ライフル持って周りの人を威嚇して、山で野糞したり娼婦と揉めて警察のお世話になってるレスターに、自分と同じ部分が少しでもあるなんて思わないじゃんね。でも、あの射的のあたりからちょっとレスターが可愛く見えてきてね…ぬいぐるみを手料理でもてなすとかさぁ!ハートフルすぎてビックリしたもんね。彼がこうなっちゃったのは…きっと家族の温もりが足りなかったからなのかも……って、ちょっとばかり有りもしない母性本能が芽生えた次第。で、屍姦ですよ屍姦!!!めちゃめちゃ心温まる(???)屍姦だったよね。いや、初めての彼女なんですよ!初めてのおっぱいで初めてのセックスだもん。何にも言わない冷たい彼女に熱い気持ちをぶつけるなんて、そこに愛がなければできないって!なんか、感想書いてていちばん興奮するのが屍姦のことって言うのも、変態っぽくて嫌なんだけどね。私がコミュ障って言うこともあるけど、レスターが死んだ女性とセックスすることで人との交わりを求めてしまうネクロフィリアとして描かれているのって至極真っ当で、どんなに孤独な人間でも人恋しいと思う気持ちがどこかにあって、愛されたいって願望もあると思うんだ。彼はそこに愛を見つけてしまって、だからそれを失って更にとち狂っていったのかと思われ……それでも最後まで生への執着が尽きないあたり、確かに神の子だわ…って間違った解釈をしてしまった私です。

なんか、めちゃめちゃ語りましたけど、万人受けする映画ではないですよね。私の中ではジェームズ・フランコの株がドーンと上がったわけですよ。私生活でちょっと追い込まれてしまった彼ですけど、それとこれは別としてやっぱり応援していきたい人物です。
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