このレビューはネタバレを含みます
生と死をここまで強く感じたのは初めて。
奪い、奪われる、立場が何度も逆転していく中で、人間は動物であるのだと、優位に立つため差別し殺し合う生き物であるのだと強く訴えられた。また同時に愛情や悲しみ、憎しみなどの感情や知性を持つことの尊さも強く訴えられた。大地の中で血を流しながら生き抜く彼は、強く、美しかった。どれだけ傷つこうが、最後のシーンまで瞳は燃えていた。
「嵐の中の木を見るがいい。木の枝が折れることはあるが、木の幹が揺らぐことはないのだ。」
何を目的として生きるのか、そう考え悩んでいる私の不甲斐なさよ……。目的なんぞいらんのだ
カメラワークが本当にすごい。呼吸の息で画面が白くなったり、血しぶきを付かせたり、吹雪や激流のなかのシーンで主人公の目線になったり、緊迫感が伝わる演出。自然の映像美も凄い。川や滝、森、引いては地球の荘厳さが伝わってきた。ディカプリオの演技、挿入曲も抜群で、世界観に入り込めた。