Hikariii

レヴェナント:蘇えりし者のHikariiiのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.0
オーケストラのチューニングのような音からこの物語が始まった。

森の木の枝、葉が風でなびいて音を重ねていくように、弦楽器の音が重なっていく。
そんな風に聞こえた。

愛する人間を失った。
人を愛することで得てきたものが、
愛する人を奪われたことでグラスの中の何かが変わった。

グラスの中の何かが変わってしまったシーンで木が強風でなびいていた。
その描写はグラスの心の中、そのものかと感じた。

愛する人を失ったことでグラスの心は、ざわめき、そして強風が吹き荒れている。

愛する人を奪われた復讐。
愛する人を奪われた憎しみ。

グラスを駆り立てるものは大きかった。

復讐の先に、何があるのか。

愛する人を奪われた憎しみ
それが故に復讐に駆り立てられたグラス。

復讐をしても愛する人は帰ってはこない。
復讐をしても憎しみが消えるわけではない。

復讐の先にはグラスにしか味わえない悲しさ、辛さ、狂気、憤り、それ以上のものがあるのだろう。

最後のシーンのグラスの表情、眼ざしが、すべてを物語っている。



人間の命

動物の命

大自然に宿る命


「生命とは」

この作品すべてにおいて考えさせられた。
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