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レヴェナント:蘇えりし者のmoのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.4

『愛は死んだ。
憎しみだけが、生きている。』


アメリカの西部開拓時代を生きた実在の罠猟師ヒュー・グラスが、息子を殺された復讐のために乗り越えた過酷なサバイバルの旅を描いている伝記作品。



レンタル開始してたものの、目黒シネマで上映していたためせっかくなので映画館で観てきました。
結果、映画館で観て大正解!!!
というよりこれ、多分、家での鑑賞だと途中で集中力切れちゃう自信あります(笑)
イニャリトゥ監督、これはまた重厚な作品を作ってくれました。



照明を一切使わない自然光のみの撮影のため映像は重い雰囲気とリアリティに満ちてますし、ディカプリオがサバイバル中は殆ど台詞もありません。
ひたすらディカプリオの勇ましいサバイバル姿とセクシーな息遣いと壮大な自然…


撮影監督のエマニュエル・ルベツキは「ゼロ・グラビティ」を手掛け、本作でアカデミー撮影賞を3年連続受賞、今世界でもっとも美しい映像を撮るカメラマンとまで言われるすごいお方らしいです。
見てるこっちまで凍えそうな雪山、川、雪崩は鳥肌モノの映像美…テレビで見るにはあまりにも勿体無い!!

ディカプリオの怪演も素晴らしかったです。
その表情や仕草から生への執着心や亡くした息子への愛、息子を殺した男への憎悪がしっかり読み取ることが出来て、納得のオスカーだと思いました。


憎しみは人を不死身にも変えてしまうものであり、復讐という目的があったからこそ彼は生きることにしがみつくことが出来た…
自分の世界を奪った男に、結果として生かされることになるとは皮肉なものです。
イニャリトゥはやっぱりすごかった…
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