サラッとした終末のお話だった原作を、ウェットなお説教くさいフォーマットに押し込んだ映画、っていう感じがする。
特に原作が好きとかなくて、よくあるパターンの会話を受け入れられれば、多分それ程駄目な映画じゃ無い、と思う。
(でも、僕は原作が好きで観たかったから残念だった)
「生々しい(リアル)でしょ?」っていう感情のこもった言葉と、どこかで100万回も聞いたような、誰が言っても変わらないような(だから今更いう必要のない)お説教くさいセリフのオンパレードは、個人的には観て居てツラかった。
今年で廃校になる3年生しかいない学校(つまりそれは終末の世界だ)。
起伏の少ない感情。
終末っていう感じの世界の中で進んでいいく二人。
不安や、ありきたりの悩みに「ベタかな」って言える程度の自律生。
そういったものが魅力の作品だったのになって思う。
半分廃墟みたいなクラブ(ライブハウス?)が普通の音楽カフェになってたり、音楽目指してます、みたいな6畳一間の生活空間になってたりしたのはすごく残念だった。あの半分ファンタジーみたいな空間を映画でも見たかったな。
キーの盗み方も、絶対に原作の方がいいのにな。
原作の、感情の起伏の薄い、嘘みたいな感じを再現して欲しかった。
原作は、超オススメなのでよかったら皆さんにも読んでいただきたいです。
原作:「ワールド・ゲイズ・クリップス」五十嵐 藍