あかり

くちびるに歌をのあかりのレビュー・感想・評価

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
3.8
久しぶりの邦画。
木村多江が母親役で出てきた時の圧倒的安心感がたまらないですね。

とある島の学校に代理の音楽教師といて赴任した柏木先生。ピアニストだったという噂はありつつもピアノは弾きたくない様子。そんな彼女と合唱部の生徒たちとの交流の物語。

この映画の私的MVPは間違いなく桑原くんです。『僕はお兄ちゃんが自閉症じゃなかったら生まれてこなかった。お兄ちゃんを助けることが僕の生きる意味。』なんてあの年で言えることのなんと素晴らしいこと。今までお兄ちゃんがいることで自分のしたいことができなかったこともあったでしょうに。そんな息子たちを一番近くで見守ってきたからこそ言えるお母さんの『頼み事するなんて初めてだもんね、お母さんに任せなさい』はボロ泣きでした。

王道の展開ではあるけれど最後のみんなが集まって合掌するシーンではもれなく涙腺が決壊しました。歌いながら目元を拭う桑原くんに胸がいっぱいになりました。

ガッキーの美しさと子供達の合唱を楽しめる映画です。私くらいの子達はアンジェラアキの『手紙』を必ず通って育ってきたはずなので懐かしさでいっぱいでした。そのほかの合唱曲も歌ったことあるものばっかり。私はどちらかというといつも伴奏する側だったのでみんなで歌うっていうことをあまりしてないのですが、伴奏しているからこそ客観的にみんなの歌声を聴くことが出来て楽しかった思い出があります。懐かしさ溢れる映画でした。
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