物語よりも女優たちが絡み以上に真剣にプロレスに取り組んでいるその姿を見るだけで感極まる、多少おぼつかないところはあるがその迫力足るや撮影中プロレスのスカウトが撮影見学に来て本当にプロレスラーにしようとしていたというエピソードも納得。
友人でありながら男をめぐってライバルとなる主役の山本奈津子と小田かおるもいいけれど、それ以上にメガネ女子のマネージャー井上麻衣のクールさと淫乱さのギャップ、ラストのかっこ良さにやられる。何より80年代の、まだ元気があったロマンポルノの女優たちの溌剌とした演技が眩しい。
筋書きが仕立てられている学生プロレスが、二人のライバルによるガチな熱気に煽られてどんどん書き換えられていく終盤の展開が痛快。
先輩後輩という差が歴然として存在している描写や先輩による苛烈なしごきがいかにも80年代らしい、あとこの時期の日活作品によく出ている安定の脇役・深野博の活躍っぷりも見物。