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ジェラシーのchiyoのレビュー・感想・評価

ジェラシー(2013年製作の映画)
3.0
2014/10/31
フィリップ・ガレル監督が、父親モーリスの若かりし頃の物語を息子ルイ主演で描いた、親子3世代で紡いだ作品。タイトルの通り嫉妬がテーマで、胸が締め付けられるような苦しい展開を期待したものの、それは思いっきり肩透かしに終わってしまった。主人公のルイも彼の恋人のクローディアも、自分の痛みには敏感なのに人の痛みには鈍感すぎる。が、程度の差はあれど、唐突に襲われる不安や孤独は誰もが抱くそれで、クローディアが衝動的に走り出す気持ちも分からなくはない。特に彼女の場合、ルイに比べて役者の仕事も上手くは行ってなく、家で無為に過ごすことが苦痛だったんだろう。ただ、二人が「愛してる」と伝え合うシーンは多いものの、行動が全く伴ってなく、言葉だけが宙ぶらりんな感じ。個人的に、メインの二人よりも母親と父親、その恋人との間を行き来する、娘の方が印象的。
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