風船魚

聖者たちの食卓の風船魚のレビュー・感想・評価

聖者たちの食卓(2011年製作の映画)
3.4
インドの黄金寺院にある無料食堂で食事の準備から片付けまでの工程を延々と垂れ流すだけの映画。ナレーションは無く、字幕もほぼ皆無。始めは淡々とした環境映像を見ているようで退屈に感じたが、製作者の意図が限界まで取り除かれた映像にだんだんと自分自身が黄金寺院にいるような気分にさせられ、妙な緊張感を覚えた。作者の意図的なストーリーは無いが、食事を用意し、それを食べ、片づけるという当たり前のことを新鮮な気持ちで見ることができた。その当たり前の事柄が物語となって映画として成立しているように思えた。

食事の準備をするボランティアの人々が楽しそうに働き、各々がやりたいように作業するという大らかな雰囲気は印象的だ。あまりに日本とは対照的な風景でそれが彼らの性質に由来するのかは分からないが、インドの持つ風土について興味が湧いた。
風船魚

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