おいも

沈黙ーサイレンスーのおいものレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.3
僕が宗教的信念に理解がなく、無神教であるためか、あまりこの映画が何を伝えたいのかが分からず、イギリス系アメリカ人のマーティン・スコセッシ監督による自身のカトリックについての宗教観を捻出した自己満作品に見えた。
また丹精を込めて2時間半の一分一秒まで拘ったのだと思うが、流石にストーリーに抑揚がないのに長いのはキツい

カトリックの対立する2つの宗教観がひしひしと感じとれたし、現代のカトリックが直面する信仰の緻密性や塩梅に対する寛容性についての課題も何となく響いた
が、これでは日本か土壌が違うと種が育たないというのはまだ分かっても、福音の人智を超える神の存在を頑なに認めないか、理解できない仏教に固執する日本人の頑固さが印象深く見とれる。
それが正しいとしても、カトリックの宗教観がメインテーマだとしても、もっと史実に沿ってカトリックが布教を始めた経緯と日本がキリストを弾圧した経緯に触れればわかり易くも面白くもなったかもしれない。

ただセットや、衣装、主演のアンドリュー・ガーフィールドの一生懸命な演技とイッセー尾形の核心を着いた重々たる演技には目を光らせるものがあったのだと思う
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