どうしてもロドリゲスの視点で見てしまいがちだけども、イッセー尾形率いる日本側の視点で観ると彼らはこれまでに司祭を転がすためにはどうすればいいかが分かっているので、敢えて信者の酷い姿を見せることで、祈りや信仰ではどうにもできない無力さによって信仰を捨てさせようとしたのかと思った。
多くの信者が彼ら司祭達の為に犠牲になろうとすることは、神の為に死ぬのではなく、お前達の為に死ぬんだと自分達のせいで殺されることに耐えられなかったよだろうか。
今月観た二本、「裁かるゝジャンヌ」と「沈黙サイレンス」、信仰の為に死への恐怖に悩みながらも殉ずるジャンヌと、棄教して結果的に生きることを選ぶこととなったロドリゴ、共に葛藤しながらも最後まで信仰心を棄てずにいることができた対照的な結末の二人だった。翻って自分にそんなものがあるのかわからない。
