何のための信仰か。
命がけで布教する司祭たちと、日々の過酷な生活から逃れ、心の安寧を求める切支丹たち。
司祭たちが、よりよく生きることを目的として布教していたのだとすれば、当時の日本の思想や文化にはそぐわなかったのかもしれない。
キリスト教であろうと仏教であろうと、愛や慈悲を大切にし、人々の幸せを願うための宗教でありながら、どうして苦しみの種となってしまうのか。
学生時代にさらりと習った踏み絵。
踏めば楽になると思っていたけれど、たった一度でも踏んでしまったら、信仰によってギリギリ保たれている現世での心の行き場がなくなってしまうのだなぁ。
拷問がえげつなくて…
人間の恐ろしさも垣間見た。
長いんだけども、長いなぁとは感じない。
考え続けて疲弊する…素晴らしい作品。
風、虫、波、雷、雨…
自然の音が静かに流れるエンドロール最高。