すんご

沈黙ーサイレンスーのすんごのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5
人間がこんなに哀しいのに、海があまりに碧いのです。

久しぶりにバルト9で鑑賞!

高校時代に国語の授業の資料集で気になり、大学一年の時に原作を読んで以来、ずっと再映画化を待っていた今作!十年越しの夢が叶った!

宗教上の理由からか、なかなか賞レースに出て来てないから心配していたけど、さすがはスコセッシ監督!傑作だった。

江戸初期のキリシタン弾圧を描いた今作。海外作品いうこともあって、どこまで真摯に表現できるか気になったが、これまでのハリウッド映画よりも圧倒的に当時の日本を再現していて全く違和感はなく、さらに視点も中立的であったと思う。
尋問・拷問を行う役人たちも、単にキリシタンの処罰をするのではなく、形式上での棄教を勧めているように描写していたのも好感がもてた。
また、シリアスばかりでなく、コミカルなシーンも随所に散りばめられており楽しめた!

どうしても鎖国・宗教弾圧となるとダークなイメージがあるが、当時は単なるイデオロギーの闘いというだけでなく、西洋諸国からの植民地化、世界経済に巻き込まれることによる政権崩壊も恐れもあり、幕府や諸藩も対応には苦慮していたことと思う。

キャスティングや演技はまさに絶妙であり、全キャストすごかった!
主演のアンドリュー・ガーフィールドについてはキャスト発表当初は不安に思ったけど、劇中ではではまったく違和感がなかった。
そして、イッセー尾形が完璧すぎる!これほど役に憑依した演技は、なかなかないんじゃないかな?いつまでも観ていたい、最高の演技だった。
浅野忠信も紳士さと狡猾さを同時に表現していて、今までで一番好きな浅野忠信がそこにいた。
その他、窪塚洋介、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮も好演!豪華すぎる、、、。


結末は原作のその後も描いていたけど、良かったんじゃないかな?ちょっと長かったけど、余韻がずっと続いてよかったなあ。

スパイダーマン、クワイ・ガン・ジン、カイロ・レンの3人が集結しているので、アクション洋画が好きな人も楽しめると思う!
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