俺の映画の持論は「長さは90分がベスト」
もうちょい見たいなってぐらいで終わる。
でも中身がぐっと凝縮されて、一分の隙もない。
その点、この映画は3時間。ケツいてぇよ。
だがしかし！3時間の知性の旅。
本っっっっっっ当に面白かった。
何がってそのテーマ。
「自分が強く信じていたものが揺さぶられ崩壊していく」
トランプ勝たせた全アメリカ人が見ればいいと思う。果たしてどれだけの人が理解できるかな。なんせ相手がキリスト教だもの。思考停止しちゃう人が大半じゃない？
ただ、そのテーマにはまだ先があって
「崩壊したのちの、新たな価値観の誕生」
ここがこの映画の本質。
日本には日本の文化、価値観、宗教がある。
なんでそこにポルトガル人がキリスト教を持ち込んでくるの？何のために？誰のために？
宣教師はイエスを信じれば救われるという。
でも日本人は昔から自然の中に八百万の神が宿ると思ってる。果たして日本人がポルトガル人と同じイエスを信仰できるの？
しかも当時の切支丹は弾圧や苦役から解放されて天国に行きたいと思ってる。宣教師は日本人が死を覚悟して切支丹になってることをちゃんと分かってる？
当時の日本にはキリスト教は根付かないよ。当時の価値観に立って考えれば、天皇制とキリスト教は理論的に合わないもん。そりゃあ政府だって禁止するさ。そんな日本で、キリスト教を布教させたいってのは宣教師の傲慢じゃないの？
でもでも、この映画にはまだ先があって
「古い価値観を完全に捨てることはできない」
きゃーー！もうたまんない！
スコセッシ監督愛してる❤
よくこんな映画撮ってくれたなあ。
何この熱量。普通じゃないでしょ。
あとリーアムニーソンのカッコよさ。演技の素晴らしさ。静かな佇まいのなかに潜む激しい炎。
アンドリューガーフィールドも大人の俳優に成長したなあ。
まあただ、日本人キャストもうちょいどうにかならなかったのかね。イッセイ尾形も窪塚洋介も演技が大げさで邪魔くさかった。もっと普通に演技してよ。直球勝負できない人は嫌いです。その点塚本晋也監督はすごくよかった！！
あと、あんなにみんな英語喋れないでしょ笑。350年前のボロボロの村民が俺より英語話せるなんて、、、
最後、アダムドライバーの顔がどうしても好きになれない。ありゃあ前世で何かあったんだな。きっとそうに違いない。
