インダスの大地

沈黙ーサイレンスーのインダスの大地のレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.9
(記録用)信仰とはなんだろうか。

虫たちのさざめきというエモから始まるこの映画。役者さん達の渾身の演技が凄い。波に打たれるシーンとか、ヤバいね。
窪塚(キチジロー)や他の名も無き村人たちの人間臭さ、みんな生きる苦しみから逃れる為に信仰するし、"転ぶ"し、死後の楽園(パライゾ)に思いを馳せる。

(信仰と祈りに対して神は何故沈黙を続けるのか?)みたいな問い掛け、難しいね。神は実体ある手を使って穴に落ちた信者を引っ張り上げてくれるワケじゃないもんね。
あくまでも穴から這い上がるのは"自分の"腕だから、たとえ泥臭くても生き続けるキチジローのリアル。まあ腹立つほどに美しくないけど。それがリアルだなァと。胡散臭い美徳と泥臭いリアル。でも這い上がる時にこそ信仰はきっと力になるのかもしれない。


この映画では当然主人公が司教(キリスト教側)なので、当人の心の揺らぎにスポットが当たり続けるし(それが話の主軸ですからネ)、幕府酷い〜って感じ(実際やってる事は酷い)に描かれている。
でも「なぜ幕府は禁教令を強いたのか」もちゃんと知っておくと、もっと色々と楽しめると思います。(いや〜、歴史の授業って大事だったんだなァ。とウィキペディアを眺めながら今更痛感する今日この頃…)