人間がいる。人間だけがいて、神は不在だ。その不在と圧倒的な沈黙が、神の存在を際立たせる。
原作読んで、「まじかーこれ映像化すんのかー」と思っていたけどもう完璧でしょ。パーフェクトじゃないかな。
信仰と宗教については、それが絶大に必要っていうほど世の中は荒れた時期を過ぎたし、平和で、人間も多少賢くなった。
それでも必要であるならば、人類にとってそれはどういう形が望ましいのか。
もう一度改めて原作を読み返したい。もっと深く人間を知りたい。
イノウエサマの異教に対する所業については、理解する気持ちもある。統治者として正しいとすら思う。歩み寄り懐柔するやり方は汚いが、そこにはひとつの解答がある。
キャスティングも完璧だった。
加瀬亮がまた最高。目が。塚本晋也もいつもどおり完璧で、窪塚洋介は頑張った。
全シーン通してどこを切り取っても、監督の、日本という国への愛と敬意が感じられる。
昔、津和野へ旅行したときのことをふと思い出した。また行きたいと思った。
美しい。
素晴らしい。
傑作。