りょうた

沈黙ーサイレンスーのりょうたのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.1
「沈黙」は神に助けをこれほど求めたのに、どうして何もせずに沈黙しているのか。という意味と考えた。
舞台は島原天草一揆が鎮圧された後のキリシタン弾圧が続いている長崎が舞台で、ポルトガル人司祭のロドリゴやガルペをはじめ、多くのキリシタンがあまりにも理不尽で厳しい迫害を受けていた。

霧や暗闇がほとんどのシーンで見られ、不穏な雰囲気が常に漂っている。笑いや恋のない直球な内容で、人によっては見るに耐えられないかもしれない。

ロバート・デニーロ主演の『タクシー・ドライバー』を手がけたマーティン・スコセッシがどうして遠藤周作の『沈黙』を基にした作品を作ったのか。エンドロールでも明示されていたが、この映画は日本人に捧げられた作品だ。

この映画を観ながら、何度も人間はなんて愚かなんだと思ってしまった。

理解と歩み寄りもなかった日本、故郷でもない日本で亡くなった姿を見ていて本当に辛かった。

最後に、ロドリゴの言葉を。
「人の魂を曲げるのは、拷問よりもむごいことだ」
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