先日原作を読了し満を持しての観賞でした. まず、なんと言っても題材がとてもいい. キリスト教の「教理」と「実践」のぶつかり合いに起因する葛藤&葛藤&葛藤. そして葛藤の末の結末. 司教側も奉公側もお互いの言っていることは立場的には勿論言い分としても間違ってないのだ. 今でこそ日常にありふれているキリスト教だが、こういう歴史を知るのも楽しかったりする.
日本の描き方がとても丁寧. 日本の俳優陣営も素晴らしかった. (これは日本人にしか味わえない楽しさ.)
映画自体は原作にほぼほぼ忠実. (イノウエの登場は思いの外早い.) 音楽は自然音以外一切なし.
ラストカットを市民ケーンぽくしたのはとても良かった. 果たしてロドリゴの棄教はどの程度のものだったのか. それは彼のみぞ知る所である. 彼は文字通り己の胸中を墓場まで持って行ったのだ.
